昨日は
子どもにはみんないいところがあるシリーズで、
小学校低学年の子の作文のことをお話ししました。
今日は、
「やる気」について
持久走の指導をさせていただいた時に
子どもたちから教えてもらったことをお話しますね。
福井県の小学校は
秋になりますとそれぞれの市や郡ごとに
連合体育大会が開かれ、五年生と六年生が参加します。
陸上の競技です。
選手に選ばれた子はその種目に
そうでない子は
100m走と全体種目(大縄跳びやダンスなど)に
出場します。
各学校では
その大会に向けて練習をするのですが
その時に種目ごとの練習を行います。
あれは私が教師になって五年目か六年目の
ことだったと思います。
私は
「今年は、持久走の指導をさせてください!、」
と、体育主任にお願いしました。
今思えば冷や汗ものです。
なぜって、
自分が持久走の選手をしたこともないのに
(小・中学校の時は、リレー、ハードル、走り高跳びなどの選手にはなりましたが
成績は市で四位が最高で、まったく奮いませんでした)
そんなことをお願いしにいったのですから。
若かったなぁ・・・
ただ
それまでの毎年の練習を見ていて
子どもたちがいやいや参加しているなぁとは思っていました。
持久走(当時は男子1000m,女子800m)の練習ですので
辛いことは間違いないのですが
練習は辛いだけで本番でも結果を出せなかったら
この子たちにとって持久走の思い出は
「辛いもの、嫌なもの」としてしか
残らない。
それではせっかく辛い思いをしたのに残念だ。
と、若いなりにそんなことを考えていたと思います。
体育主任の先生も驚かれたと思いますが
よく私に任せて下さったと
感謝、感謝です。
その後、学校を替わっても
連合体育大会の練習は
ほとんど持久走を担当させていただきました。
で、
肝心の結果はどうなったかと言いますと
福井県の中でも山あいの一学年が一クラスか二クラスくらいしかない
小さな学校の子どもたちが
市や群の連合体育大会で優勝するようになりました。
そればかりか
県の陸上大会でも
一位、二位、三位、あるいは八位内に
のきなみ入賞するということが
起きました。
子どもたちってやる気を出すと
本当にびっくりするほど成長します。
すごい・・・
私の方が
教えてもらいました。
えっ?
どうやったのですって?
それを今からお話しますね。
初めて持久走の担当になった時
私は子どもたちにこう言いました。
「持久走という種目は、他の種目に比べて
練習が一番辛いと思います。
でも、100mだったら自分の記録を10秒縮めるということは
できないかもしれませんが
持久走だったらがんばればそれができます。
みんなには、人と比べるのではなく、
自分の記録を一秒でも縮めてほしいと思います。」
それから
練習が始まります。
詳しい内容は割愛しますが
まず一回走って自分の記録を取る。
その後
その記録に合わせて一周200mのインターバルを
何回か走って終わり、です。
これだけ?
はい
これだけ、です(笑)
自己新記録が出て
記録がすごくアップした場合には
それだけで
おしまい。
ということもありました。
それから
その場合は
もしインターバルの練習がしたいのなら
自分で何本するか決める、
という風に
子どもたちが自分の練習メニューを決めて
走る、ということも
行いました。
その間、
「一位になりなさい。」
とか
「あの子に勝ちなさい。」
とかは
一切言いませんでした。
初めて持久走の練習を担当した時
私は低学年の担任をしていましたので
持久走の選手の五、六年生のことは
ほとんど知りませんでした。
一言で言いますと
「信頼関係ゼロの状態」だったわけです。
ですので
この練習方法についても
最初は懐疑的でいやいやの参加
という様子がありありと表情や態度に現れていました。
私は毎回ストップウォッチで
タイムを取りながら
「今日はいいペースだよーっ。」
とか
「あとラスト一周!スパートーーーっ!!」
と、
走っている子どもたちを
精一杯応援したり
ゲキを飛ばしたり(笑)しました。
それから、
今日のタイムをみんなの前で発表するときは
「〇〇さん、五秒アップ!おめでとう!!」
と言ってみんなで拍手しました。
自分の記録が出なかった子には
「うーん、残念。練習してまた明日がんばろう!」
というように声をかけました。
200mのインターバル走の時も
ストップウォッチを持って
「33、34、35、36、よーし、いいペースでゴール!!」
と叫んでいました。
そして
子どもたちの
記録が伸びていくことを一緒に喜んでいました。
そんな魔法のような指導法ではなく
いわゆる
普通の指導法だったと思うのですが
最初は懐疑的&いやいやの参加だった子どもたちも
自分の記録が伸びてくると
少しずつ
少しずつ
やる気が芽生えてきて
インターバルを増やす子も現れました。
何度も言いますが
持久走は大変辛い種目です。
200mを全力で走るインターバルだって
一周で息がハアハアになります。
それでも
子ども達はがんばるようになりました。
今思いますと
行動することで結果が出て、やる気が生まれ、
また行動することで結果が出る→やる気が生まれる。
と、このいい循環だったのです。
記録もどんどん上がってきて
「大会で子どもたちがどれくらい自分の記録を伸ばすか
楽しみだなぁ・・・。」
って思っていました。
群市の連合体育大会の前の日。
子ども達は軽めの練習をして
一人一人自分の目標タイム
しつこいですが
人と比べるのではなく
あくまで
自分の目指す自分の新記録
を発表しました。
練習が終わって
校庭から職員玄関に向かおうとしていた私に
六年生の男の子が
「岩堀先生、僕、明日は僕なりに
精一杯がんばってみます!」
「うん、分かった。応援してるからね!」
と言いました。
当時は、陸上競技場を使用していなかったため
連合体育大会は各学校が持ち回りで会場になっていました。
その年は
たまたま私が勤めていた学校が
会場になっていました。
そして迎えた当日。
台風が近づいてきているために
朝から空は真っ黒な曇に覆われていました。
今にも雨が降り出しそうです。
その空は
その日に起きることを
暗示していたのかもしれません・・・
(明日に続く)
ごめんなさい。
何やら意味ありそうな終わり方となってしまいました。
長くなってしまいましたので
この続きはまた明日とさせてくださいませ
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編集後記
食欲の秋です。
ええ、
食欲の秋、真っ盛りでございます。
去年は「焼き芋」を焼いては
食べ比べしていました(笑)
で、
今年はと言いますと
「キャラメル味の飴」
を食べ比べています。
正確に言いますと
「塩キャラメル味の飴」
です。
これが
また
美味しいのです。
甘さと塩加減が絶妙で
気が付くと
ついつい
全部食べてしまいます。
飴なのに
食べてしまってますーーっ(笑)
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「こんな時どうしたらいいと思いますか?」
「おすすめの○○を教えて下さい。」
などなど
あなたからの質問をお待ちしています。
遠慮せず、ぜひっ!!