親から「こいつはバカですから。」と言われた子が,苦手の算数を克服
4月の終わり,4年生の女子児童の家に家庭訪問に行った時のことである。
お父さんが横で,開口一番こうおっしゃいました。「先生,こいつは,バカですから。」「えっ!」私はびっくりした。初対面のお父さんに向かって,
「何てこと言うんですか。この子は,まだ生まれて9年ちょっとしか経ってないんです。
バカなんて決めつけないでください!」と言ってしまいました。その子は算数が苦手でした。テストや,プリント直しの時,
どんなふうにしているのか観察すると・・・。間違えたところの答えを友達に聞く,
割り算で間違えたから,何も考えずに掛け算に直して提出して○をもらうなど,
あまり自分で考えようとせず,その場その場をしのいでいました。
その様子を見て,私ははっとしました。「まだ,算数の内容がちゃんと分かってないんだ。」そこで,Bを含めたクラス全員に聞きました。
「苦手な科目がある人?」
8割位が手を挙げた。
「じゃあ聞くけど,それって誰のせいだと思ってる?」
子どもたちは,手を挙げて,
「授業中に先生の話を聞いていなかった自分のせいです。」
「家で,もっと勉強しなかった自分が悪いと思います。」
と言いました。私が,
「違うよ。先生のせいだよ。」
と言うと,全員,ぽかんと口を開けたような顔で私を見ました。そこで,私は,子どもたちに説明しました。
「なぜかというとね,先生は,分からない子が分かるようになるまで教えるのが仕事。
でも,まだ分からない子がいるというのは,説明の仕方がうまくいってないからなの。
だから,分からないことで自分が悪いなんて思わなくてもいいの。
ただ,一つだけ約束してくれる?分からなかったら最後まで分かりませんと正直に教えてほしいの。
そしたら,こんな方法はどうかな?こっちだったらどうかな?って先生考えるから。」
と。彼女が,本当に分からないことを「分かりません。」と言えるようになるまでに,
1年ぐらいかかりました。それに連れて,平均50~60点だった算数のテストが,
70~80点ぐらいに上がってきました。そして,5年生でお互いのいいところを書き合った時,
友達から,「いつも,算数の勉強をがんばっている。」と書いてもらいました。
お父さんが横で,開口一番こうおっしゃいました。「先生,こいつは,バカですから。」「えっ!」私はびっくりした。初対面のお父さんに向かって,
「何てこと言うんですか。この子は,まだ生まれて9年ちょっとしか経ってないんです。
バカなんて決めつけないでください!」と言ってしまいました。その子は算数が苦手でした。テストや,プリント直しの時,
どんなふうにしているのか観察すると・・・。間違えたところの答えを友達に聞く,
割り算で間違えたから,何も考えずに掛け算に直して提出して○をもらうなど,
あまり自分で考えようとせず,その場その場をしのいでいました。
その様子を見て,私ははっとしました。「まだ,算数の内容がちゃんと分かってないんだ。」そこで,Bを含めたクラス全員に聞きました。
「苦手な科目がある人?」
8割位が手を挙げた。
「じゃあ聞くけど,それって誰のせいだと思ってる?」
子どもたちは,手を挙げて,
「授業中に先生の話を聞いていなかった自分のせいです。」
「家で,もっと勉強しなかった自分が悪いと思います。」
と言いました。私が,
「違うよ。先生のせいだよ。」
と言うと,全員,ぽかんと口を開けたような顔で私を見ました。そこで,私は,子どもたちに説明しました。
「なぜかというとね,先生は,分からない子が分かるようになるまで教えるのが仕事。
でも,まだ分からない子がいるというのは,説明の仕方がうまくいってないからなの。
だから,分からないことで自分が悪いなんて思わなくてもいいの。
ただ,一つだけ約束してくれる?分からなかったら最後まで分かりませんと正直に教えてほしいの。
そしたら,こんな方法はどうかな?こっちだったらどうかな?って先生考えるから。」
と。彼女が,本当に分からないことを「分かりません。」と言えるようになるまでに,
1年ぐらいかかりました。それに連れて,平均50~60点だった算数のテストが,
70~80点ぐらいに上がってきました。そして,5年生でお互いのいいところを書き合った時,
友達から,「いつも,算数の勉強をがんばっている。」と書いてもらいました。
その後,Bは,家でも宿題以外に進んで算数の勉強をしてくるようになりました。
その量は,ノート20ページを超えることも度々ありました。そして,6年生になると,
なんと,算数の平均点は90点を超えるようになりました。友達から認められて,
やる気に火がついた結果です。そんな彼女の成長ぶりを誰よりも喜んでくださったのは・・・。
何を隠そう「こいつはバカですから。」とおっしゃっていたお父さんでした。